遺言控除

安藤税理士法人の土屋です。政府・与党が「遺言控除」を新設する方針を固めたとの報道がありました。

有効な遺言を残すことを条件に、相続税を減額するという制度です。遺言を普及させ、遺産分割を促し、相続をめぐるトラブルを防ぐのが狙いだそうです。

遺言書があれば防げる争いは多く、また遺産分割をスムーズに進められる、長期化させないという効果もあります。税額控除という金銭的な動機付けで遺言書の作成率を上げようというのは、なかなかユニークなアイデアだと思います。

しかしながら、相続税を減額することが必ずしも遺産相続争いを減らせるとは言えません。というのも、争いが起こるのは富裕層に限らないからです。相続税の支払いが発生するのは全体の数%なので、90%以上の人にとって相続税の税額控除はメリットになりません。

また相続税を払う必要のある人の多くは、もとより遺産分割を意識しており、相続税対策と並行し遺言書を作成している場合も少なくありません。

相続争いを減らすことが目的であるのなら、「税金がかかるほどの資産はないし、相続は自分には関係ない」と思っている層にこそアプローチが必要ではないでしょうか。

単なる富裕層の減税で終わることのないよう、検討しなければならない課題は多いのではないかと思います。

早ければ平成29年度の税制改正での実施を目指すとのことなので、今後の動向が気になります。

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